COLUMN / コラム
一枚の絵葉書
- 2022.05.31
- 40代コラム
今から約20年ほど前、遠い異国の地から届いたこの絵葉書に私は一瞬で心奪われました。
世界的に有名で(当時は全く知りませんでしたが‥)20世紀前半に活躍したメキシコの女性画家、フリーダ・カーロの『エレッサー博士に捧げる自画像』という作品の絵葉書です。
繋がった眉毛、中性的な顔立ち、底知れぬ悲しみと美しさ…。沢山の自画像で知られるフリーダですが、有名な作品はなかなか衝撃的で悲しく、目を背けたくなるような怖い絵が多いです。しかし彼女の壮絶な人生を知るとまた、作品の見方が180度変わります。
送り主は、当時ちょっと憧れていたアルバイト先の先輩からでした。
葉書の裏には、
『フリーダ・カーロ美術館に来た。脳みその裏側から涙が溢れ出るほど感動した。メキシコで見るべし。』
と書かれておりました。お世辞にも綺麗とは言えない、走り書きで書かれたこのメッセージから彼の感動具合が妙にリアルに伝わりました。
脳みその裏側から涙が溢れ出るという未知の感想と、この絵葉書を選んで私に送ってくれた嬉しさと、フリーダの絵の魅力に、とても感動した事を覚えています。
その後、先輩とは音信不通となり20年ほど経ちましたが、何となく大切に保管してきた絵葉書の1枚です。
↓いつか必ず行きたい!メキシコシティ、フリーダ・カーロ美術館
~旅のおすそわけ~
誰かの旅先から届く絵葉書。
旅先から誰かに送る絵葉書。
どちらも好きです。
その国の一部を切り取って伝えることができ、切手や消印もそれぞれの国の個性が出ています。送る人を想いながらの葉書選びもまた楽しみのひとつです。
普段はそんなに筆まめでは無いのですが、1人だと暇を持て余す事も多い旅先で、休憩中のカフェや宿で、さらさらっと書いていますが...大半は旅先で手紙を書いている自分に酔っています。
なので内容は恥ずかしいものばかりです。
旅の恥は掻き(書)捨てよ、です。
今は日々の生活に追われる毎日ですが...世界中がもう少し落ち着いて、子供達がもう少し大きくなって、夫がもうちょっと稼いでくれたら、子連れバックパッカーとなりメキシコに旅立ちたい...と妄想しています。その時は、誰かに恥ずかしい絵葉書を送りつけます。笑
~最期の言葉~
病気と、事故の痛みに耐え続けた47歳の短い人生を終えたフリーダが最期に描いたスイカの作品には、
『ディエゴ(夫)に感謝、そして愛する全ての人の為に生きようとする私の途方も無い意思に感謝』
という言葉と共に 『VIVA LAVIDA 人生万歳!』 と綴られています。
人生万歳!!
そうだ!!!
生きてるだけでバンバンザイ!!!!!
きっと、人生は楽しい。
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