image

COLUMN / コラム

呪文

  • 2026.09.13
  • 50代コラム

 

打ちひしがれた自分の心を救ってくれるもの。

それは、心の奥底に大切にしまってある魔法の呪文たち。

 

 

 

 

 

 

 

本や雑誌、今ならネットやSNSで、突如ハッとさせられる言葉に出会うことがある。

 

一瞬で私の心を鷲掴みにするそんな言葉と出会うと

思わず、

 

 

『わっ!(衝撃)』とか

『わぁ~♡(感嘆)』とか

『うぅ~(納得)』と唸り、

ひと昔前なら手帳やノートにメモメモ、今はスマホにポチポチとその言葉たちを残す。

 

 

しかし、その時の感動とは裏腹に、すぐさま忘却の彼方へ去ってしまうさまざま言葉たち。

 

 

で、その時にメモった言葉たちを何かの拍子で、読み返したりすると、

再び、『おっ!』『わっ!』『くぅ~』と初見のように感動するループ脳は、

ある意味 得している感もあるのですが…(笑)

 

 

まぁ、とにかく いろんなことをすぐ忘れてしまいます。50代。

(いや。これは若い頃からかな?)

 

 

 

しかし、こんな脳でも、忘れられない特別な言葉がいくつか存在します。

 

 

それらは人生に迷い、選択に悩み、何かに打ちのめされ、不安が募り、孤独や悲しみを抱えそうになると、

ひょっこり顔を出してくれる。

 

すると私の心は勇気を得、晴れ晴れとした気持ちになり

『自分は大丈夫だ!』と持ち直すことができるのだ。

 

 

その言葉たちは

生涯、ずーっと自分を支えてくれるのだと思うのです。

 

 

だからそれは、わたしにとっての魔法の呪文なのです。

(呪文:不思議な力や特別な効果を引き出すために唱える文句)

 

 

本日は、その中から呪文エピソードをお一つ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

私の社会人としての20代は、先輩や上司から教えを請い、学び・実践・失敗の日々だった。

30代になって経験を積み、社外との関わりも増え、視野が広がり、ようやく自立し ある程度のことが一人で出来るようになった。

そして40代。今度は部下たちを導く立ち位置へとステージが変わった。

 

しかし、そんな立場になった40代のある頃から、私の心に漠然とした不安が芽生えてきたのだ。

 

『今、自分がすべきこと』は明確だった。

目の前の目標や、半年後・1年後の目標もはっきり見えていた。

 

けれど、ふと

10年後は?と長いスパンで物事を考えた時、ある疑問が。

 

10年後といえば、私はもう50代。

社会人としての50代ってどんなん?   と。

(当時、私の職場には50代女性がおらず、将来の姿を重ね合わせられるようなモデルケースとなりうる人が身近にいなかったのだ)

 

 

ということで、私は想像してみた。

働く50代女性を。

 

 

私の想像する50代女性は、社内においても社外においても、自信をもって社会を渡り歩く、とても頼もしい存在のような気がする。

 

長年キャリアを積み重ね、多くの経験を経て物事の判断力も身につけている。

後輩や部下の手本となり、ときには周囲を導くリーダー。

 

 

要は『ちゃんとした大人』だ。

 

 

むむっ。

 

私の50代…大丈夫?

 

仕事云々の前に、まず人としての思考や言動・振舞いはちゃんとできている?

今はなんとか許されている事でも、その歳ではアウトなこといっぱいじゃない?

 

考えれば考えるほど、

それができている自分が想像できない。

もう不安しかない…(꒪꒫꒪ )

 

 

 

いやいや、まだ時間はある

50代に向かって今からいろいろ準備していこう

 

そのために今、何をやるべき??

 

自問自答してみる…

 

わ、分からない( ꒪ω꒪ )

 

 

 

もう、迷える(おばさん)仔羊状態。

 

 

焦るな、焦るな。

とりあえず、若かりし頃の自分のOL時代を思い出してみよう。

 

当時、50代の女性上司ってどんなんだった?

 

 

 

しばし考えてみたが…

 

あの時代のあの会社には、50代OLが存在しなかったことにふと気付く。

 

1990年代。

トサカ頭にボディコンをまとった夜の蝶たちは25歳を手前に、コンサバ系にシフト替えをし、

合コン相手が3高にロックオンされ、そのうち左手薬指にキラリと光る一粒のダイアモンドが出現し、

気が付けば同僚たちから花束を贈られ

 

「お世話になりました~♡」

と幸せオーラ全開の眩い笑みをたたえ、30代を迎えることなく会社を去っていく。

 

そのハイヒールを響かせたタイトスカートの後ろ姿には神々しささえ感じた。

 

 

そんなお姉さまがたを眺めていた、今や死語となってしまった『寿退社』という時代の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな迷える悶々とした日々を送っていた40代仔羊は、とある日、とある方の講演会へ参加することに。

 

そのお方とは『塚本こなみ氏』である。

 

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、日本初の女性樹木医となったこなみ氏です。

 

当時、私は こなみ氏のご活躍ぶりは存じ上げていたが、その実像を知る機会はなかった。

 

 

初めて生で拝見したこなみ氏は菩薩のような笑みを浮かべ、

そのたおやかな話し方は慈愛に満ちていた。

 

そしてその見た目からは想像できない壮絶なこれまでの軌跡。

一つのことを成し遂げるひたむきな情熱と努力。

こなみ氏の優しさの中にある屈強な精神。

 

講演を傍聴しながら、私はたちまち心棒者に。

 

 

こなみ氏の話に引き込まれた講演会はあっという間に終了。

 

その後、質疑応答の時間が設けられていた。

その時に私と同年代であろう、参加者のお一人がこなみ氏に質問をされたのだ。

 

「なぜ塚本さんはそんなに穏やかでいれるのですか?私は会社で鬼婆のように毎日声を荒げています」と。

 

激しく同意。

私もぜひその答えを、お聞かせ願いたい!

 

 

こなみ氏を包み込む柔らかな雰囲気からは全く察せない一見アンバランスな生き方。

この華奢な体のどこにパワーがあるのかと思うくらいの前進思考の行動力。

周りを引っ張る機動力、成し遂げる力、そして何より樹木への愛、この仕事への使命感。

 

家庭を持ちながらこれらを成し遂げることが当時どれだけ大変だったかは想像に絶する。

 

なのに、そんなこと微塵も感じさせない、ものすごく温かな話し方。全身が出る優しさオーラ。

不思議なお方である。

 

それは私だけでなく、たぶん満場一致でそう感じているはず!

 

 

その質問に対し、こなみ氏は事もなく

「あら。私もそうでしたよ。当時はもう なりふり構わず夢中でやってましたよ」とニコニコしながら答えられた。

 

 

その瞬間…なんだか安心した。

 

あぁ、私はこのままでいいのかもしれない、と思えた。

 

今、やるべきことをやっていれば、未来は自ずと拓けるのではないかと。

明確な将来の自分像が分からなくても、それはそれでいい。無理に思い描くことはない。

 

 

今を精一杯生きる。

 

日々の、その積み重ねが未来の自分となる。

 

 

もしかしたら、10年後は自分が思い描いた50オトナにはなれていないかもしれない。

 

どれだけ努力しても、けっきょく何者にもなれていないかもしれない。

 

 

でもそれが私なのだ。

 

自分が精一杯やってきたことに後悔がなければ それでいいではないか。

 

 

 

 

 

 

 

講演後、名刺交換をさせて頂く機会があり、

興奮冷めやらぬ状態で私は感謝の言葉を伝えました。

 

「自分の将来のビジョンを思い描けなく不安に思っていたのですが、今日答えみたいなものが見えた気がします。ありがとうございました。」と。

 

 

すると こなみ氏が、

 

「あら。あなたは大丈夫よ。 だってチャーミングですもん」

と仰った。

 

 

その瞬間、ストンとその言葉が自分の中に落ちた。

 

この『チャーミング』は、決して私への誉め言葉ではなく、

たいていのことは、そういうもので乗り切れる、とおっしゃられた気がしたのだ。

 

この、そういうものというのは

 

ビジュアルではなく、そして仕事の能力や肩書きでもなく、

それは自分自身の内面のことで、

つまり、

働ける環境があって、素晴らしい仲間がいて、理解してくれる家族もいて、

動ける身体があって、学べる環境もある。

もう、これだけ素晴らしいご縁に恵まれているなら、あとは自分のマインド。そしてポテンシャル。

チャーミングスマイル(ポジティブオーラ)一つあればたいてのことは乗り越えられるのよ!

それを乗り越えようとする心があるかどうかだけよ。

 

 

と、…勝手ながらそう解釈し、心の糧とし本日に至ります。

 

 

一番根っこの部分を肯定された気がしました。

それは励ましではなく「私の存在そのものへの信頼」のように響いて、心が軽くなりました。

 

ありがとうございます。こなみさま。

この言葉は、私にとってとても大きく、今でも大切にしている言葉です。

 

 

 

 

“チャーミング”

しんどいときこそこの魔法の呪文!

 

悩んだ時は下手に難しいことは考えず、

とりあえず頭の中を陽キャにしとこ。

 

例え、落ち込んでも、つまずいても、傷ついても、

涙にくれる夜があっても、

 

それでも次の日は顔をあげてみよう。

 

 

 

 

 

だって、自分の人生は自分のものだから!

 

 

 

 

 

本日は呪文のお話でした。

『50代。魔法の呪文をゲットせよ』

 

 

 

SHARE